みやぎグリーンウォーカー

第15回「宮城県民の安全安心、快適な暮らしのための検査機関」(財)宮城県公衆衛生協会

●財団法人宮城県公衆衛生協会
所在地 〒981-3111 仙台市泉区松森字堤下7-1
電話   022-771-4722
FAX   022-776-8835
URL   http://www.eiseikyokai.or.jp/
取材日 平成22年9月30日

はじめに

財団法人宮城県公衆衛生協会 仙台市泉区の住宅街の中、広い駐車場の向こうに忽然と白い壁の四角い建物があり、まさに研究所という雰囲気がありました。(財)宮城県公衆衛生協会では、参与の熱海周一さん、総務部長の菅原義親さん、保健衛生部長の秋山和夫さん、環境衛生部長の大村利昭さんにお話を伺いました。

(財)宮城県公衆衛生協会の歴史

(財)宮城県公衆衛生協会は、他県の同様な団体と比べかなり早い時期に設立されました。昭和39年に行政が中心となり公衆衛生に関する研究や学会を行ったことに端を発しています。その後、試験や検査も行うようになり、昭和42年に財団格を取得し、現在の財団法人宮城県公衆衛生協会となりました。設立後、時代の流れやニーズに合わせ、検査の幅を次々と広げていき、今では水質、食品、大気、土壌をはじめ多岐にわたる検査を行っています。また同じ検査でも、社会的ニーズや技術の進歩に伴って、精密さや遺伝子レベルの検査、迅速さが求められるようになりました。

(財)宮城県公衆衛生協会の三つの機能

photo 現在の(財)宮城県公衆衛生協会では、その機能が大きく三つに分けられています。

一つ目は公衆衛生の普及と各種調査・研究事業を行うという公益事業部門です。この部門では、協会独自に大気や水質及び輸入食品分野等において調査研究し、その情報を提供しています。一方、行政や大学等の研究に対し助成も行なっています。また、ノロウィルス感染症などの研究をし、それが広がってしまった場合の対策の模索なども行っています。

二つ目は、水質・土壌・大気などを検査・測定する環境衛生部門です。水質検査では、対象は、飲料水から河川水や工場排水など、依頼も個人や企業、行政等さまざまです。また、子供達への健康影響で問題になっているホルムアルデヒド等のシックハウスの検査も行なわれていました。私は検査に対する需要が想像以上に多いということに驚かされ、同時にこのような検査の積み重ねのおかげで私たちは日々の生活を送っていることを実感しました。

photo三つ目は、食品の安全安心に関わる検査で、食品加工施設・給食施設や飲食店などの従業員の検便検査、それらで調理・加工された食品の細菌検査や食品添加物検査、及び施設内の衛生管理の支援、さらに農産物の残留農薬検査を行っている保健衛生部門です。ちょうど私たちが取材した日に二枚貝等のウィルス検査を実施しており、ここで行われている検査にぐっと親近感がわきました。検査の方法は変わっても食に対する安全安心の関心は今も昔も非常に高いと秋山さんはおっしゃっていました。

またこの部門では、日本のほぼ全ての赤ちゃんが受けている新生児マススクリーニングの更なるレベルアップのための調査も行っていました。
(注: 新生児マススクリーニングとは、生後4〜6日の新生児を対象としたアミノ酸や糖の代謝異常、甲状腺や副腎の内分泌異常について検査をすること。もし、異常があって放っておくと、身体や知能に障害が残ることがありますが、早期に発見して、早期に治療をすることで健康な赤ちゃんと同じように成長します。この検査は保護者の希望により実施し、検査にかかる費用は行政が負担します。)

生まれたばかりの赤ちゃんの足の裏から採血して行う現行のマススクリーニングでは、6つの病気が対象疾患となります。しかし、(財)宮城県公衆衛生協会が今、体制を整えている新しいマススクリーニングでは、さらに20程度の病気について調べることができるようになります。また、病気によっては発見されたその日のうちに治療を始めなくてはならない場合もあるようで、病院と連携し、迅速な対応ができる仕組みづくりも大切だとおっしゃっていました。

photo photo

検査と信頼

お客様より依頼されたサンプルを測定して結果を成績書として発行する検査事業において、信頼性が何よりも大事であることを伺いました。(財)宮城県公衆衛生協会では、水道水質検査についての外部の精度管理において、ここ5〜6年継続して最優良のSランクの評価をもらい続けており、協会内部に信頼確保部門を設け定期的なチェックをしています。このような継続的な努力によって、多くの企業からも信頼を得ているのだなと感じました。

(財)宮城県公衆衛生協会と環境配慮

photo(財)宮城県公衆衛生協会では、みやぎGPNへの参入や、社内に環境配慮に取り組む委員会を設置しており、 平成20年8月に宮城県から環境配慮事業者に認定されています。いろいろな検査を行う上で、どうしても環境に負荷がかかる廃液が発生しますが、(財)宮城県公衆衛生協会では廃液の処理にも配慮しています。具体的には、検査で使用する有機溶剤は、ドラフトというブースの中でのみ使用し、使用後は活性炭に吸着させて処理しています。酸、アルカリ廃水は中和処理を行い、有害廃液は産業廃棄物業者に処理を依頼したりしています。

最後に

photo取材を通して職員のみなさんの、県民のよりよい生活環境づくりのために、という思いを強く感じました。(財)宮城県公衆衛生協会は検査の精度や信頼性が高く、検査機関としてスタッフにも恵まれていました。新しいマススクリーニングの施行も含め、これからの(財)宮城県公衆衛生協会にも期待したいと思います。(終)

取材メンバー自己紹介
高橋良知

高橋良知東北大学文学研究科 中国語学中国文学専攻分野修士1年
趣味:尺八、散策
取材に対しての抱負:
買い物袋の有料化、エコ箸の普及など、私たちの身近なところにエコの取り組みが広がっています。私たちが普段目にすることができないところでも、企業のみなさんは多くの環境対策をされています。今回、実際に地元の企業の方から、環境への取り組みをお聞きする機会に恵まれました。それぞれの企業は、驚くような工夫と努力をされています。企業の方々の貴重なお話と思いを大切に受けとめ、記事を書いていきたいと思います。


武尾はるか

武尾はるか東北学院大学教養学部地域構想学科 3年
趣味:旅行、本屋めぐり、靴を買うこと
取材に対しての抱負:
日々環境に負荷をかけながら送っている私たちの生活ですが、そのなかで企業がどのように環境問題と付き合っているのかを伝えられたらと思います。
まだ文章を書くこと自体に四苦八苦している私ですが、もっと場数を踏んで思い通りの文章をかけるようにがんばりたいです。
企業と環境について直接お話を伺い、考えるチャンスを与えていただいたことに感謝します。


バックナンバー
  1. 第1回 コクヨ東北販売株式会社
  2. 第2回 富士ゼロックス宮城株式会社
  3. 第3回 東北緑化環境保全株式会社
  4. 第4回 日本紙パルプ商事株式会社 東北支社
  5. 第5回 協業組合 仙台清掃公社
  6. 第6回 トヨタ自動車東北株式会社
  7. 第7回 「いつでも見学できる処理工場を」株式会社 安部工業
  8. 第8回 原油高と直接向き合う企業 東邦運輸倉庫株式会社
  9. 第9回 「てんぷら油で車を走らせる」 株式会社オイルプラントナトリ
  10. 第10回 「EMS導入で「心構え」が変わった」 河北新報印刷株式会社
  11. 第11回 「広がるリサイクル部品のネットワーク」 株式会社三森コーポレーション
  12. 第12回 「建設業として環境に取り組む」株式会社深松組
  13. 第13回 驚きの「ライブオフィス」リコー東北株式会社
  14. 第14回 再生資源の価値、分別のコスト 株式会社 佐彦
  15. 第15回 「宮城県民の安全安心、快適な暮らしのための検査機関」(財)宮城県公衆衛生協会
  16. 第16回 「メディアパワーを有効活用して、LED普及に努める」(株)仙台放送L・E・Dソリューションズ
  17. 第17回 「大学生に伝える〜次世代の環境マインドの育成へ向けて〜」大学生活協同組合東北事業連合
  18. 第18回 「日本を支える〜地域建設産業の使命〜」 一般社団法人宮城県建設業協会
  19. 第19回 「お客様に感動される企業を目指して〜環境に優しいリサイクルとは〜」 株式会社サイコー
  20. 第20回 「私達はエネルギー消費の削減が仕事です!」 株式会社エコライフサポート
  21. 第21回 「窒素酸化物(NOx)を低減するエマルジョン燃料」 株式会社エヌ・エフ・ジー
  22. 第22回 「エコな笹氣」の継続」 笹氣出版印刷株式会社
  23. 第23回 「地域の資源循環と環境保全に貢献する仕事」 株式会社 国本
  24. 第24回 「ホテル・ショッピングセンター・農業の取組」仙台ターミナルビル株式会社
  25. 第25回 「ホテル・ショッピングセンター・農業の取組」仙台ターミナルビル株式会社
  26. 第26回  ニーズを捉えろ! アイリスオーヤマのモノづくり   アイリスオーヤマ株式会社

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