みやぎグリーンウォーカー

第27回 「見ていただける処分場」として地域と共に
株式会社ジャパンクリーン

所在地
  本社 宮城県仙台市青葉区中央3丁目2番1号(青葉通プラザ10F)
  最終処分場 宮城県仙台市青葉区芋沢字青野木109-1
電話
  本社 022-223-6011
  管理型最終処分場 022-302-5171
URL   http://japanclean.com/
取材日 平成30年11月19日(月)

「見ていただける処分場」を訪問


 2018年11月19日、仙台市青葉区芋沢地区にある株式会社ジャパンクリーン(以下、ジャパンクリーン)の管理型最終処分場へ施設見学とインタビューにうかがいました。 同社は、同じく青葉区内に本社があり、ほかにも廃棄物の分別や減容化、安定化することができる中間処理施設が群馬県館林市に、さらには収集運搬も自社でまかなうことができます。 廃棄物処理の一連の流れが自社で完結するため、廃棄物を明確で迅速かつ適切に処理することができる会社です。 また、同社では、近隣にある町内会施設の建て替えや地域の人々との芋煮会、稚魚の放流会、植樹活動などを積極的におこなっており、地域住民の方々とのつながりや交流を大切にしています。 今回の取材では、同社がスローガンとして「見ていただける処分場」を掲げる背景や、仕事に対しての想い、今後の企業展開などを聞くことができました。

管理型最終処分場の事務所
仙台市青葉区芋沢地区にある株式会社ジャパンクリーン最終処分場の社屋

万全の環境対策


  最終処分場とは、リサイクルや再利用などができないと定められている廃棄物を、埋立処分によって安定化を図る施設であり、安定型と管理型、遮断型の3種類に分類されます。 ジャパンクリーンが営業している管理型最終処分場では、安定型では処理できない廃棄物を受け入れ、埋め立ての最中はもちろんのこと、処分場がいっぱいになったあとにも水質管理などの維持管理が長年にわたって必要となります。 とくに同社が排水を放流している広瀬川は、環境省や仙台市によって厳しい環境基準が定められているため、水処理施設からの排水はその基準を満たし続けなければなりません。
 この最終処分場は2014年に稼働を開始しました。最大埋め立て容量は約1,040,000立方メートルで、残りの容量は約700,000立方メートルあります。 構造としては、埋め立て地の全体に自己再生型遮水マットを敷設し、その上から葉脈状に排水用のパイプを巡らせています。 廃棄物は土と交互に積み重ねていきますが、降雨などにより発生する地下浸出水などの汚水は、下に巡らせてあるパイプを通って全て水処理施設に送られ、水処理施設で適正処理をおこなったあと、広瀬川に放流されます。

管理型処分場の全景 管理型処分場の説明を受けているところ
管理型最終処分場の埋め立て地。
周りの緑色のシートが自己再生型遮水マットです。









地面から出ている黒いパイプは地中に空気を送り込むのと、地中で発生するガスを抜くためのふたつの役割があります。








  管理型最終処分場からの排水には、前述したように厳しい水質基準が課せられています。そのため、ジャパンクリーンの水処理施設では、専門職員による詳細な水質検査を毎日おこなっており、また、放流寸前の出水口での定期的な水質検査、外部調査機関による定期的な水質検査を実施しています。 また、自動測定器によって24時間監視し、もしもトラブルが発生した場合には担当者が即時急行して対応する体制が整っています。このように人と機械の二段構えで対策をおこなうなど、水環境の保全に全力で取り組んでいました。

水処理施設の全景
水処理施設の全景

水処理前の水  水処理後の水
(写真左)処理前の汚水。濁っておりわずかに腐卵臭がした。
(写真右)処理後の汚水。処理まえとは一目でわかるように違い、透明で無臭。
検査データのうえでは無害ということで舐めてみたところ、少し塩みがあるものの普通水と変わりなかった。この塩みは処理の際に塩化物を使用するためとのこと。

子どもから勤めたいと思われる業界に


  インタビューでは、常務取締役である杉澤真理音(まりおん)様、執行役員である杉澤二千翔(にちか)様にお話をうかがいました。 最終処分場を経営するうえでの苦労や気を付けている点を聞いたところ、「苦労はとくにない。気を付けているのは、近隣にお住いのみなさまから理解を得て営業しているのでコミュニケーションをしっかりとって、最終処分場の重要性や安全性を理解してもらうこと。 また、もしも営業がストップしてしまうと廃棄物の行き場がなくなりお客様に迷惑をかけるため、トラブルを未然に防ぎ、安定した管理体制を整えて運営すること。ここを止めないことが大切」(二千翔役員)。
  また、「見ていただける処分場」を経営スローガンにした理由をたずねたところ、「廃棄物は負のイメージが強く、悪いものとして扱われがちですが、もともとの発生元は私たち人間です。ですから、人間が生活するうえで致し方なく排出されたものが、どのように処理をされて自然界と共存していくのか?  私たちの活動を通じて関心をもってほしい。そして、そこから環境問題すべてに興味を広げてもらい、地球全体の環境が少しでも良くなれば……」(二千翔役員)との思いから、このスローガンに決めたとのこと。

インタビューの様子1左から、常務取締役である杉澤真理音様、
執行役員である杉澤二千翔様。
  さらに、この仕事をするうえでのモットーを聞いたところ、「“コミュニケーション”と“早く適切な対応”」(二千翔役員)の2つを挙げました。 その理由について、「廃棄物処理はマイナスのイメージが強いため、営業の際にはお客様との信頼関係(=コミュニケーション)に気を付けています。 最終処分場は廃棄物にとって最後の受け皿なので、処分場の状況や搬入物の改善してほしい点などをお客様にしっかり伝える(=コミュニケーション)ことが重要です。 一方、“早く適切な対応”は、廃棄物は生き物だから問い合わせが来たときのスピーディーな対応が大切」と二千翔役員は説明する。
  真理音取締役は、「廃棄物処理業界が必要産業であることの認知を進めたい」と続ける。取締役が就職活動をしていた際、父親が経営するジャパンクリーンへの就職を考えていたところ、友人から“しょせん、おまえの家がやっているのはゴミ屋だろ”と言われたことがあった。 その友人の物言いよりも、廃棄物処理業が“ゴミ屋だろ”という認知でいいのか?と強く憤りを感じたそう。 廃棄物処理業は必須産業であり、とくに管理型の最終処分場は最後の受け皿なので、これまでのような認知ではなく、子どもたちから勤めたいと思われる業界にしていきたい」と訴える。
  ジャパンクリーンでは、環境への取り組みとして最終処分場やその周辺での植樹活動を熱心におこなっています。その理由を聞いたところ、「処分場を建設する際に森を切り開き、木を大量に伐採しました。 すべての環境を開発まえの姿に戻すことはできないが、少しでも元の姿に近づけるため、この地域にもともと生育している種類の木を植樹し、森を再生する活動をしている」(真理音取締役)そうだ。
  また、ISO14001(国際標準化機構)やみちのくEMSなどの環境マネジメントシステムを取得するきっかけとメリットを聞いたところ、「お客様である排出元の環境への意識が変わりつつあり、以前よりもEMS取得が不可欠になったことがきっかけ」(真理音取締役)。 また、メリットとしては、「外部からの審査を受けることで自分たちの環境への取り組みが可視化できる点。 さらには、データ管理のルールなどが厳しく求められるため社内教育のきっかけになり、業務の引継ぎなどがおこないやすい社内環境作りにつながる」(二千翔役員)。「サプライチェ―ンの一部として、お客様(排出元)が当処分場へ見学に来る機会が増えた」(真理音取締役)とメリットばかりだそうです。
インタビューの様子2
インタビューの際には、稚拙な質問にもわかりやすく答えていただきました。

おわりに


 今回、ジャパンクリーン様を取材し、貴重な体験をさせていただきました。 見学まえは最終処分場に対して漠然としたイメージしかなく、「環境に対する取り組みを熱心にしている」と聞いても具体的に何をしているのか想像できない状態でした。 しかし、この取材を通して、ジャパンクリーンが周辺の環境や水環境、近隣の住民に対して深く配慮し、汚染を発生させないようにいくつもの取り組みをしていることを知りました。
最後に、お忙しいなか取材に対応していただきました常務取締役である杉澤真理音様、執行役員である杉澤二千翔様にお礼を申し上げます。
集合写真
左から、常務取締役である杉澤真理音様、インタビュアーの松川寛明(東北工業大学3年)、執行役員である杉澤二千翔様です。

取材メンバー自己紹介
松川 寛明

東北工業大学 工学部
環境エネルギー学科3年
専攻:山田ゼミ
趣味:映画鑑賞
今回の取材を通して廃棄物処理業界が重要産業であることや、環境への取り組みを熱心にしているかを知ることができ興味を持つことが出来た。 また、今回の取材ではさまざまな業種を調べる機会があり今まではあまり関心がなかった業種にも関心を持つことが出来た。これからの就職活動では視野を広く保ちつつ、やりたいことを見つけて行きたい。


バックナンバー
  1. 第1回 コクヨ東北販売株式会社
  2. 第2回 富士ゼロックス宮城株式会社
  3. 第3回 東北緑化環境保全株式会社
  4. 第4回 日本紙パルプ商事株式会社 東北支社
  5. 第5回 協業組合 仙台清掃公社
  6. 第6回 トヨタ自動車東北株式会社
  7. 第7回 「いつでも見学できる処理工場を」株式会社 安部工業
  8. 第8回 原油高と直接向き合う企業 東邦運輸倉庫株式会社
  9. 第9回 「てんぷら油で車を走らせる」 株式会社オイルプラントナトリ
  10. 第10回 「EMS導入で「心構え」が変わった」 河北新報印刷株式会社
  11. 第11回 「広がるリサイクル部品のネットワーク」 株式会社三森コーポレーション
  12. 第12回 「建設業として環境に取り組む」株式会社深松組
  13. 第13回 驚きの「ライブオフィス」リコー東北株式会社
  14. 第14回 再生資源の価値、分別のコスト 株式会社 佐彦
  15. 第15回 「宮城県民の安全安心、快適な暮らしのための検査機関」(財)宮城県公衆衛生協会
  16. 第16回 「メディアパワーを有効活用して、LED普及に努める」(株)仙台放送L・E・Dソリューションズ
  17. 第17回 「大学生に伝える〜次世代の環境マインドの育成へ向けて〜」大学生活協同組合東北事業連合
  18. 第18回 「日本を支える〜地域建設産業の使命〜」 一般社団法人宮城県建設業協会
  19. 第19回 「お客様に感動される企業を目指して〜環境に優しいリサイクルとは〜」 株式会社サイコー
  20. 第20回 「私達はエネルギー消費の削減が仕事です!」 株式会社エコライフサポート
  21. 第21回 「窒素酸化物(NOx)を低減するエマルジョン燃料」 株式会社エヌ・エフ・ジー
  22. 第22回 「エコな笹氣」の継続」 笹氣出版印刷株式会社
  23. 第23回 「地域の資源循環と環境保全に貢献する仕事」 株式会社 国本
  24. 第24回 「ホテル・ショッピングセンター・農業の取組」仙台ターミナルビル株式会社
  25. 第25回 「ホテル・ショッピングセンター・農業の取組」仙台ターミナルビル株式会社
  26. 第26回  ニーズを捉えろ! アイリスオーヤマのモノづくり   アイリスオーヤマ株式会社
  27. 第27回 「見ていただける処分場」として地域と共に 株式会社ジャパンクリーン

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