菊地和男×山岡講子 エコ座談会

プロフィール

燗c 紘一(たかた こういち)氏
株式会社滋賀銀行 取締役頭取

1939年
滋賀県長浜市生まれ
1962年
京都大学経済学部卒業
日本銀行入行
文書局長、考査局長、監事を歴任
1994年
滋賀銀行入行
1997年
取締役頭取に就任(現職)

2004年には滋賀経済同友会代表幹事として近江商人の精神をもとに、「滋賀CSRモデル」を創設して全国的に注目を集め、総合ビジネス誌「財界」が選ぶ平成18年度「経営者賞」を受賞

猪股代表幹事
このたびは「第9回グリーン購入大賞」環境大臣賞受賞おめでとうございます。
お忙しいなかインタビューをさせていただく時間を頂きありがとうございます。
限られた中ですので、大変不躾な質問などもあろうかと思いますが前もってお許しを頂いておきます。
燗c頭取
ありがとうございます。私仙台には45年前日本銀行の新入行員時代に赴任しておりました。そのころの仙台とは違い、大いに発展していることをうれしくまたとても懐かしく思っております。
猪股代表幹事
そうですか。仙台とはご縁があったのですね。
さて、早速ですが、このたびの環境大臣賞受賞についてですが、銀行が環境にいち早く取り組んでおられることに驚きを覚えております。
燗c頭取
私が頭取になって10年の歳月がたちました。滋賀銀行は、琵琶湖畔に本拠を置く企業の社会的責任として環境金融などの「環境経営」に積極的に取り組んでまいりました。当初は「銀行がそんなことに取り組むなんて、何を言っているんだ」との声も聞こえてまいりました。しかし、地方銀行として、地域の皆さんに環境保全がいかに大事なテーマであり、環境ビジネスに取り組むことこそが、地域社会の持続可能な発展につながるとの信念をもって活動をはじめました。
猪股代表幹事
今でこそ環境経営が広がっておりますが、その当時行内での周知徹底や取り組みにはご苦労がおありだったであろうと察します。宮城県内の金融機関では信用金庫さんあたりが、EMS(環境マネジメントシステム)を取り組んだ企業に利子の優遇などをしておりますが、地方銀行では大手ほどなかなか環境関連には理解を示していない状況にあります。お金は企業にとって血液のようなもので、その流れが止まれば経営も立ち行かなくなることもありますから、金融業界の環境への理解はこれからの環境活動の普及には重要なポイントではないかと考えています。
燗c頭取
銀行として本業である「金融」の役割を通じて、地球温暖化防止をはじめとする、持続可能な社会づくりに貢献できる範囲はますます拡大しています。当行では「お金の流れで、環境を変える」との使命をいち早く認識し、金融機関ならではのCSR(企業の社会的責任)の取り組みとして、環境ビジネスを支援する「環境対応型金融商品・サービスの提供」による環境保全への働きかけを行うなど、金融を通じて環境に配慮した地域社会づくりに全行あげて取り組んでおります。
猪股代表幹事
それはとても大切なことですね。宮城県ではこれまで環境関連の処理業者が設備投資をするとなると融資を受ける必要が生じますが、その際の判定基準となる物差しが無く、結果として融資を受けられないところがあったと伺っております。そのあたりはどうなのでしょうか?
燗c頭取
当行では、CSR・環境の側面を加味した「企業格付制度」を導入し、環境保全に熱心なお取引先の活動を取引評価や信用格付に反映させようと、「企業格付制度」の中に「環境配慮評価項目」を設けています。また、この格付制度を、お取引先の企業価値の向上に向けた提案や親身なソリューション活動を充実させるための「コミュニケーションツール」として活用し、「知恵と親切を提供するビジネス」を展開しています。
猪股代表幹事
現在産業廃棄物業者の優良評価制度も導入され評価システムも確立されようとしています。環境を整備のための投資によって、効率の良いそして適正処理やリサイクルにまわせることは、まさに循環型社会の構築につながります。
一般ゴミの有料化が実施されようとしている社会背景もあり、まさに市民の意識の向上と技術立国を目指す日本が環境関連の技術を持って、世界の環境保全と創造に役立つことが期待されるところです。
では、最後に燗c頭取から滋賀銀行のこれまでの取り組み内容等をまとめて頂けますか。
燗c頭取
滋賀銀行は一地方銀行ですが、地域の皆さんと一緒になって環境保全という問題に前向きに取り組もうという運動を展開して参りました。
私が頭取に就任して以来、21世紀を展望したとき、21世紀に我々地球人が大切にしなければならない新しい価値観を共有し、地域の活性化を目指すことを考えました。20世紀は戦争の世紀、環境破壊の世紀だったわけですが、その反省から21世紀こそ「平和と環境」の世紀にしなければならないとの強い信念をもって活動してまいりました。
「平和」については、「アジアの時代」を展望し、地元の経済界の皆さんがアジアに展開されるビジネスを積極的にサポートし、平和を追求していきたいと努めています。
地方銀行の基本的な立場は、「地域社会との共存共栄」を追求していくことにあります。このような視点に立ち、自ら率先して環境負荷の低減に取り組むとともに、あらゆるネットワークを通じて環境保全の推進、環境ビジネスの創出に努めています。具体的には先ず「クリーンバンクしがぎん」をスローガンに、省エネ・省資源などの「エコオフィスづくり」に挑戦してきました。当行が地球温暖化ガス(CO2)6%削減目標(3ヵ年)を掲げ、今年3月末で9.94%削減を実現し、大きな成果をあげることが出来ましたが、今後もう一度6%削減に挑戦し、エコスタイルキャンペーンや、植樹活動も含めて環境保全に貢献することに積極的に取り組んで行こうと考えています。
そして2番目には地域の皆さんと一緒になって、環境保全活動に取り組む環境経営を応援することです。具体的には、「エコプラス定期」による小学校でのビオトープづくり(環境学習の場)の支援、環境保全に取り組まれるお客さまに低利で資金をご融資する「エコ・クリーン資金」や「琵琶湖原則支援資金」などの環境対応型金融商品を提供し、積極的に支援してまいりました。
当行のこうした「環境金融・環境経営」活動に対するお客さまのご理解とご支援の輪が、地元滋賀に止まらず、京都、大阪、名古屋、東京にも拡がってきたことを大変頼もしく、誇りに思っております。
最後に、滋賀県では経済界が「環境と経済」を両立する、環境成長経済の実現に向けた「新しい発展モデル」をつくろうと、「滋賀エコ・エコノミープロジェクト」を立ち上げる準備中です。産学官に金融の「金」を加えた「産学官・金」の4つでスクラムを組んで、滋賀県から新しい環境ビジネスと経済が両立出来るモデルづくりをしようと知恵を絞っています。
猪股代表幹事
素晴らしい取り組みを聞かせていただき誠にありがとうございます。これからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。
燗c頭取の滋賀銀行のこれまでの取り組みが、日本中の金融機関に広がり、環境に大きく貢献できる金融機関が増えることを期待しております。本日は大変ありがとうございました。

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