株式会社エヌ・エフ・ジー代表取締役 本間義朗×みやぎGPN代表幹事 猪股宏 エコ座談会

株式会社エヌ・エフ・ジー:http://www.nfg.co.jp/

山岡事務局長
お忙しいお二人に対談していただくには、移動のための時間的ロスを避け、お互いの都合の良い場所で、時間を有効的に使うことで実現となりました。本日はありがとうございます。それでは洞爺湖サミットを前に、今マスコミで取り上げられている環境についての課題なども含め、お二人に、忌憚の無いところで語っていただきましょう。よろしくお願いいたします。
では猪股先生、みやぎグリーン購入ネットワーク代表幹事として今後のグリーン購入促進の課題をお聞かせください。
本質的か否かを検証
猪股代表幹事
私はみやぎグリーン購入ネットワークの代表幹事になり、早3年目を迎えます。
本年度は、みやぎGPNというよりは、グリーン購入法自体が古紙問題に関連してマスコミの取材もあったりして賑わった幕開けでした。個人的には、話したことの半分も取り上げられずマスコミの意図とするところだけが大きく報道された気がします。これは、古紙問題だけではなく、リサイクルを初めとし環境がらみの報道は往々にして類似の要素があるように思います。「環境によい」というのは簡単ですが、「本質的か否か」について検証されるべき時代の到来と思える一年となりそうです。
山岡
そうですね。良かれと思っていることが実は環境への負荷が大きいとかで、先生の仰るとおりです。ところで本間社長は環境をビジネスにつなげることを目的として取り組んでおられますが課題をお聞かせください。
本間代表取締役
単に儲けるという発想からではなく、ある面ではお役立ちという視点で開発や販売に取り組んできました。儲けるの意味は宗教ではありませんが信者を作ることですから、信頼関係と、「使ってよかった」「売ってよかった」「環境にも良かった」と言うことが原点です。
しかし課題は満載で法律や、前例無いものに対する理解不足などなどあげたらきりがありません。
猪股
環境と一口で言っても本当に間口が広く奥が深いわけですが、とりわけ今環境ビジネスの経済成長は目を見張るものがあります。そんな中で、先日河北新報のトップページをベンチャー企業として取り上げられましたが、原油高騰の折り、節約と削減可能な救世主のようなエマルジョン燃焼装置についてお聞かせください。
エマルジョン燃料装置
本間
この開発を手がけて7年になります。最近は特に石油の高騰により多くの引き合いが来ています。そもそも私がこのシステムを開発しようと考えたのは、やはりエネルギーの確保が重要だと考えたからです。
資源を外国に頼らざるを得ない日本にとって、100%輸入に頼っていたのでは、不測の事態に対応できなくなりますからね。
猪股
仰るとおりです。エネルギー資源を持った国が、最終的には強いと言われています。日本はまったく無いですからね。だからと言って今の生活を江戸時代にタイムスリップするわけにはいきませんね。最近言われている「3E、Energy, Ecology, Economy」のように、持続的な豊かな社会生活を維持するためにはエネルギーが必須で、この相反する3つのEをトータルで、最適化するような仕組みが必要なわけです。難しい課題ですね。
本間
そうですね、しかし化石燃料に頼らざるを得ない状況であっても、工夫次第で削減できるわけです。そこがこの開発の大きな目的です。それと今地球温暖化問題が浮きぼりになっていますが、それは一人一人が肌で感じ、温暖化は「本当なんだ」と実感しているからでしょう。雪は年々少なくなっており、私は生まれも育ちも北海道ですが北海道ですら雪が少なくなったことを感じます。
その地球温暖化になった原因の一つには二酸化炭素の排出が大きく取り上げられていますが、 まさに時代のニーズにマッチしたもので化石燃料の使用削減とCO2の削減など一石二鳥というわけです。

エマルジョン燃料はオイルショックで燃料高が続いた70年代前半、大手メーカーが手がけましたが、実用化には至らずじまいでした。なぜかと言うと、これまでは水の粒子が均一に分散しなかったため、完全燃焼できずに残った水がボイラーを傷めるのがネックだったわけです。しかしそれの問題を解決するため、以前から微粒化装置や微泡化装置などを研究開発しておられた三浦先生(東北大学大学院教授)にお願いし、この均一にできなかったものを何とか均一にできないものかと平成14年9月〜東北大学三浦研究室と共同研究に取り組み、平成18年12月にエマルジョン燃料製造装置として特許を取得し、平成19年度始めから販売開始をしました。今や高効率燃焼させることができ顧客から評価を頂いております。
これまでに大手半導体メーカーや食品加工会社に、重油や灯油用の製造装置を21台ほど納入しましたが、トラブルも起きず順調に稼動しています。
先日新聞で取り上げられたものは「原油高騰に苦しむ漁業者にとって有用な技術」として漁船用の重油・軽油の代替燃料として用いることができる搭載型のものです。実証実験は昨年、宮城県石巻市沖の太平洋でディーゼルエンジン(612馬力)の小型漁船(9トン)を使い、2回にわたって行ないました。本来はエマルジョン燃料の製造装置も船に載せ、燃料をつくりながら航行しますが、実験ではあらかじめ(1)軽油85%、水15%(2)A重油80%、水20%―の燃料を精製して漁船に積載。燃費、排ガス成分などを軽油100%で航行した場合と比較し、その結果、油の節約効果は(1)で軽油が3.2%(2)は重油換算で13.2%に上ることが分りました。排ガス中の窒素酸化物は30―40%減ったほか、二酸化炭素も6―17%減となり、環境対策上も有効という。エンジン内に水分の残留もなく、エンジンが劣化する心配もありませんでした。これまでに船舶でエマルジョン燃料を実用化した例はまだなく、安全性の裏付けをとり、漁業者に役立つ装置を早く提供したいところです 。
猪股
航行中にエンジントラブルが生じたらそれこそ命取りになりますから、そのあたりは慎重なのでしょうね。
本間
そうです。陸とはまったく違うわけです、板子一枚下は海の底ですから、そこは慎重です。しかし、最近の原油高騰は、漁業経営を圧迫。漁に出れば出るほど赤字がかさみ、出漁を見送る漁業者も出ています。海運業界などでも、コスト削減のためにエマルジョン燃料を活用する研究が進んでいます。今年8月までには、東北大の三浦隆利教授(化学工学)や東北の漁協の協力を得て、1カ月かけてエンジンの燃料噴射ノズルの摩耗状態などを調べる予定です。更にエンジン内部での水分の影響も再検証します。
環境ビジネスはなかなか利益につながらない!?
猪股
ところで、前回お話を伺った、滋賀銀行高田頭取が、近江商人は「売手よし、買手よし、世間よし」と三方良しの商いをしてきた。そして今滋賀県では、経済界が「環境と経済」を両立する、環境成長経済の実現に向けた「新しい発展モデル」をつくろうと、「滋賀エコ・エコノミープロジェクト」を立ち上げる準備中です。産学官に金融の「金」を加えた「産・学・官・金」の4つでスクラムを組んで、滋賀県から新しい環境ビジネスと経済が両立出来るモデルづくりをしようと知恵を絞っています、とおっしゃっていた言葉が印象的でした。
環境ビジネスはなかなか利益につながらないとかの話を耳にすることがあります。
これまで本間社長の開発に際して費用もかなりつぎ込んでこられたと思いますが、そのあたりはいかがですか?
本間
そうですね、環境ビジネスはなかなか利益につながらないのが現状ですが、洞爺湖サミット終了後は一気に環境対策に拍車がかかると思います。今後は環境ビジネスが注目される時代が来ると思います。平成14年からこの高効率燃焼方法の開発に取り組んだ時は、今ほど原油が高騰していませんでしたので、工場などから排出され大気汚染になる窒素酸化物の低減を目的に研究に取り組みました。最近の投機的原油の高騰は異常としかいえないと思います。その中でタイミング良く省エネ装置が脚光を浴びる様になりました。
今までの研究開発には、東北大学三浦隆利教授を始め宮城県さんや仙台市さん、東北経済産業局さんからの補助金などの支援を頂きなんとか研究開発をしながら会社経営をしてきました。
循環型社会つくりの課題
山岡
産・官・学での取り組みはこれまで多くあります。そしてそれにNPOやNGOなどの市民を加え「産・官・学・野」と言う連携もありますが、これまで金を加えた「産・官・学・金」はありませんでしたね。確かに環境の課題解決のための開発には膨大な金がかかります。許認可事業になると住民の理解不足など反対の為に時間がかかりすぎます。
その間収入を得られないわけですから、よほどの資金力がないとできません。しかし便利さも欲しい、町に収入も欲しい、工場は誘致したいが廃棄物となったものを資源にするリサイクル施設は反対という市民生活者が多すぎます。矛盾しています。市民も日本の資源についての実態や現状をしっかり把握して欲しいと願うところですし、しっかりと循環型社会の仕組みや誰が廃棄物にしているのか、生産と廃棄は表裏一体のものであることを理解し無すぎることを感じています。
このあたりは循環型社会つくりとしては重要な課題としてのしかかっています。どのようにして理解を得られるのかお二人に伺いたいところです。
猪股
いろいろなところで有識者などを交えて議論されてきていますが、古紙問題一つとってみると当初古紙100%の紙は資源回収したものを無駄にしないという活動の象徴として始まり、GPN製品のシンボルとして周知されてきました。しかし技術・社会的ニーズという境界条件が変化する中で再度「環境貢献度」の検討を行って認定基準や関連法規などの見直しをすべきでしょう。
グリーン購入はリサイクルされた資源を大切にした商品を消費者に購入してもらう。それが循環と言うことから、エコ度の判定基準を明確にし、それをきちんと伝えることではないでしょうか。
そこが地域のネットワークの役目であると考えます。
環境は本当に間口が広く奥が深いのです。一つの切り口では語れないものがあります。文部科学省では低年齢から必要と考え環境学習法が整備されたわけです。しかし伝えることが大切であり、法律ができたからといって、誰でもが理解してもらえると言うことではありません。仏作って魂入れずでは、置物を作っただけになりますからね。
エネルギー効率や程度などを見極め、比較検討した上で買い換えることも必要
本間
環境については、頭では誰でもが理解しています。しかし行動が伴わず、人間のエゴが出るところですね。迷惑施設などは側に来て欲しくないということでしょう。しかし皆良い生活はしたいと望んでいるところです。余談ですが、先日新しい洗濯機を購入しました。そしたらなんと電気代、水道代が削減でき洗剤も少量ですみました。経済的視点から見ても電気代が安くなり、しかも電気の使用量が減っていることは、CO2の削減と環境にやさしいということが言えるのです。つまり、日進月歩技術の開発が進み新しいものはそれだけ経済的であり3年も使えば元が取れることになるわけです。
山岡
全自動洗濯機の走りに購入したものを今でも大切に使っていますが、それって不経済で環境負荷を逆にかけているってことかしら?
猪股
そういうことになりますね。大学でもいろいろな技術を研究し、より良いものを目指し尚且つ安心安全なものを開発しています。
日進月歩技術の開発は目覚しいものがあります。しかし、そこまでついていけない消費者、住民がいることも実態です。たとえば廃棄物処理の問題を取り上げますと、法律の縛りは、むしろ製造業の施設よりも厳しいわけです。処理施設については定期的な検査や点検など行政の監視の面も強化されていますので、逆に安心な側面もあります。
資源不足の日本国にとっては廃棄物を資源として循環させる仕組みが不可欠ですが、過去において産業廃棄物処理施設の悪いイメージだけがうきぼりにされ、いまだに拒否反応が出てくるのでしょうね。製造業の誘致には目の色を変えて飛びつくところがありますが、それに伴って必ず廃棄物も生じる事まで考えることが必要ですね。製造業の誘致は重要ですが、それに伴って出た廃棄物は他所で処理させるなんてことは、トイレのない家に住んでいるようなものですからね。
処理施設についての住民の理解不足は啓発の不足が否めないところでしょう。
道具として使うものなどは、エネルギー効率や程度などを見極め、比較検討した上で買い換えることも必要です。大切に使うことはとてもよいことですがマイナスになる場合もあります。
山岡
知らないと言うことと、多くの情報がすぐ手に入る時代に、固定的概念にとらわれすぎるのもかなりの問題となりますね。
猪股
すべてが何でも新しくするということではなく伝統工芸とかの文化的要素の高いものはいつまでも大切に使いたいものですが、日常的に必要な道具は特に電化製品は研究開発がこれでもかこれでもかというくらい進んでいますから、比較して買い替えも必要になるでしょう。これまで課題として挙げられたものへの解決方法はやはり継続し反復啓発です。真実を知らず、マスコミに流され聞きかじりのところで判断していくことに問題があるので、正しい方向へ導くことや、不都合な真実をしっかりと見抜く目が大切です。そこをしっかりと伝えることでしょうね。
山岡
正しい知識を得、行動に移すことが私たちの重要なポイントと言うことですね。 本日は貴重な時間を頂き、誠にありがとうございました。

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