みやぎグリーンウォーカー
第25回 「ホテル・ショッピングセンター・農業の取組」
仙台ターミナルビル株式会社
所在地 宮城県仙台市青葉区中央一丁目1番1号
電話 (022)267-2111(ショッピング部門代表)
(022)268-2525(ホテル部門代表)
URL http://www.stbl.co.jp/
取材日 平成28年10月6日(木
はじめに ※第二弾 農業事業
農業従事者の人材育成
総合企画本部経営管理部部長 渡部善久様
今年の4月から始まった事業です。1つの果樹を育てるのに3、4年かかり、今は苗を育てている段階のため環境が整っておらず、本格的に収穫体験は始まっていません。また、農業従事者が非常に少ないため、仙台市から農家の助けができる農業サポーターの育成を依頼されています。
農業サポーターの方は、約7回の研修を受けて、農家のリクエストがあったところに行き、お手伝いをします。サポーター制度という事業を+αで行っています。応募してくださる方は、60歳過ぎが多く、全く農業経験がなく第二の人生として農業サポーターの研修を受けています。もっと若い方が応募して、農業サポーターとして活躍することがあれば、農業への関わりが深くなり盛んになると思います。しかし、なかなか興味を示す方が少ないのが現状であり、難しい問題であると感じます。現在今年入社した2名の若い職員が観光果樹園の畑の管理をしているそうです。
農業事業の環境への取り組み
今年の10月1日からトマトハウスをオープンしました。肥料ではなく養液を使用しています。手作業でのかん水の代わりにシステムで点滴のように与え、ヤシガラの身を砕き固めたものを土代わりに使用し、そこにトマトの苗を置き根が張ってトマトを栽培しています。虫食いや病気になってしまった苗には薬剤を散布します。薬剤は、トマトハウスの中だけで使用しますが、定植や薬剤を散布した時になるべく散らばらないか等を含めて、農業に詳しい先生に指導していただいています。
JRグループという強みを活かして、現在の取り組みと今後の展望
果樹農家の割合は約7%であることから、果樹栽培は、需要も含め将来性が期待できる分野であると思われます。JRグループは「6次産業」に取り組んでおり、自分で栽培し、自分で売ることのモデルの拠点にしよう、6次産業的な農業に興味を持ってもらいたいと考えています。農業で生活していけるように収益性の高い農業をするには、6次産業まで発展させなければならないと考えるからです。トマトに関して、ホテルやエスパルの一部のテナントに使用されているとのことでした。養液栽培で作ったトマトは、長期間にわたり収穫でき、実がとても甘くておいしいという評価をいただいています。いわき市に「トマトランド」という、JRグループが三分の一出資して作った会社があります。トマトランドと連携し、今後JRグループとしてお客様に提供していくことを考えているそうです。また、農業園芸センターにシェフを招いて、トマトを使用した加工研修を開き、お客様に来てもらおうという取り組みをしています。
感想
仙台ターミナルビル様は、ホテル、ショッピング事業を展開していましたが、農業事業に参入していることに驚きを覚えました。しかし、ホテルで提供するトマトに関し自ら作っていくことは、事業が循環していることであり、自然な流れなのだなあと考えを新たにしました。農業従事者が高齢となり、農業従事者が減っていく昨今、事業として捉えていることに明るい未来が見えた気がしました。また、ホテルならではの帰宅困難者支援や植樹活動の社会貢献にも力を入れていることに、感心しました。来夏にオープンする「ホテルメトロポリタン仙台イースト」にも期待が高まります。
取材メンバー自己紹介
小磯 まひろ
東北学院大学 教養学部
地域構想学科3年
専攻:平吹ゼミ
趣味:音楽鑑賞、旅行
一言:各事業事に様々な取り組みがなされていて、学ぶことが多くありました。特に農業事業に関して、私自身自然環境や農業に関心があるので、今後の活動が気になるものでした。「6次産業」がもっと広まり、私たちの世代などが農業に興味を持つべきなのかと思いました。
谷崎 佑磨
東北大学大学院 法学研究科
公共法政策専攻修士2年
専攻:防災政策
趣味:卓球、読書
一言:仙台ターミナルビル(株)では、ホテル部門やショッピング部門に加えて、今年度より農業分野の取り組みを始めました。JR東日本の関連会社である強みを生かし、東北経済の中心地である仙台のさらなる発展に向けて取り組む姿を、これからも注目していきたいと思います。
- バックナンバー
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- 第1回 コクヨ東北販売株式会社
- 第2回 富士ゼロックス宮城株式会社
- 第3回 東北緑化環境保全株式会社
- 第4回 日本紙パルプ商事株式会社 東北支社
- 第5回 協業組合 仙台清掃公社
- 第6回 トヨタ自動車東北株式会社
- 第7回 「いつでも見学できる処理工場を」株式会社 安部工業
- 第8回 原油高と直接向き合う企業 東邦運輸倉庫株式会社
- 第9回 「てんぷら油で車を走らせる」 株式会社オイルプラントナトリ
- 第10回 「EMS導入で「心構え」が変わった」 河北新報印刷株式会社
- 第11回 「広がるリサイクル部品のネットワーク」 株式会社三森コーポレーション
- 第12回 「建設業として環境に取り組む」株式会社深松組
- 第13回 驚きの「ライブオフィス」リコー東北株式会社
- 第14回 再生資源の価値、分別のコスト 株式会社 佐彦
- 第15回 「宮城県民の安全安心、快適な暮らしのための検査機関」(財)宮城県公衆衛生協会
- 第16回 「メディアパワーを有効活用して、LED普及に努める」(株)仙台放送L・E・Dソリューションズ
- 第17回 「大学生に伝える〜次世代の環境マインドの育成へ向けて〜」大学生活協同組合東北事業連合
- 第18回 「日本を支える〜地域建設産業の使命〜」 一般社団法人宮城県建設業協会
- 第19回 「お客様に感動される企業を目指して〜環境に優しいリサイクルとは〜」 株式会社サイコー
- 第20回 「私達はエネルギー消費の削減が仕事です!」 株式会社エコライフサポート
- 第21回 「窒素酸化物(NOx)を低減するエマルジョン燃料」 株式会社エヌ・エフ・ジー
- 第22回 「エコな笹氣」の継続」 笹氣出版印刷株式会社
- 第23回 「地域の資源循環と環境保全に貢献する仕事」 株式会社 国本
- 第24回 「ホテル・ショッピングセンター・農業の取組」仙台ターミナルビル株式会社
- 第25回 「ホテル・ショッピングセンター・農業の取組」仙台ターミナルビル株式会社
- 第26回 ニーズを捉えろ! アイリスオーヤマのモノづくり アイリスオーヤマ株式会社
- 第27回 「見ていただける処分場」として地域と共に 株式会社ジャパンクリーン